衝撃的な内容だった…!
テーマ的には生活保護をめぐるものだった。
震災があった地域の数年後をベースとしていたが、生活保護の状況はそのほかの地域でも変わらないと見受けられる。
なので、これはほぼ実態・・・?
作者はどんな思いがあって生活保護ベースの話を書いていたのだろうか。
基本的な中心としては「誰にでも生活保護は与えられるわけではない」「不正に生活保護を受給する人がいる」ということ。
これらがあるためにこの物語の事件があると言えた。
どちらも現実世界でちょいちょいニュースになる。
「誰にでも生活保護は与えられるわけではない」は「跳ね除けられました!」みたいなのをTwitterで見たことがある。
あれの真実がどうであれ、少なからず「もらえていない」現状はあるのだろう。
それを踏まえて、この物語で起こった事件の犯人は意外な人物だった。
まんまと筋に乗せられて利根が犯人なんだろうなぁって気持ちで読んでいた。
真犯人がわかって、やっぱ真の正義なんてものはないんや・・・という気持ちになった。
普通に物語として面白かったが、自分が働けない立場になったら?と思うとゾッとする。
家族に頼ればいい話だが、自分自身の承認欲求などが満たされるかというと微妙。
そんな精神状態なのに、役場などでこの本の描写のようなキツい言葉をかけられたり、見下されたりしたら私自身何をするかわかったものではない。
何せ、もうどんな目にあったって変わらないようなものなのだから。
ミステリとしては、犯人の布石とかは全くわからなかった。
読み返してみたら初期から登場していたのだが、もうなんというか普通の会話。
結構生活保護の説明やらが多いからそれに紛れていたのかも?
映画だったら演技とか様子とかでわかったりするのかな。
medium、変な絵、変な家と初心者向けっぽいミステリを読んできたが、犯人予想はかなり難しい。
このまま予想するのが難しいままでいて、ミステリをずっと楽しみたいものだ。
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