多くの人が目指しているものは、眩しい世界じゃなかったのかもしれない。
少なくとも、嫉妬するような世界ではなさそう。
「この部屋から東京タワーは永遠に見えない」を読んでみた。
きっかけとしてはYoutubeでたまたま流れてきたからだった。
形式は短編集となっており、一部を除いて繋がりがないのでサクッと読みやすい。
立ち読みだけでも面白さの片鱗を感じ取れるだろう。
その一方、本の厚さから連想できるほど重厚な物語というのはない。
タイトルから想像できるような「環境が違うんだろうな・・・努力の方向性がうんぬん」みたいなメインストーリーではない。
この辺は注意。
エピソード一つひとつで感想をガンガンかけるほどに「うわ・・・」と思えるものだった。
リアルワールドでこれを感じるのは、身近ではなく、主にSNSや広告、Youtubeだと思った。
それらは全体的に収益を求めるがゆえだと思うんだけど、やたらと「高レベルな生活」を押してくる気がする。
インスタでも「まだブログはいける!」「数年で+100万の投資!」とかよーーーく出てくる。
最近見たやつでは、「S&Pを買って4年で+30%!このままいったら爆増だからおすすめ!」ってやつが面白かった。
いやあなた、コロナ前後くらいの落ちてる時に買ったでしょ…
私もそれくらいの時期に買ったやつあるから、結構なプラスにはなってるけども、今後もそうだっていうのは違うっしょ…
なんか私自身の最近の生活感想みたいになったが、この本は「そういう」ことを発信している人の裏側なような気がした。
見栄というかなんというか、他人に分かる軸?でも自分にとっては大事じゃない軸を大切にしているような気がする。
私自身は人と比較するのは疲れてしまったので最近はやらないようにしているが、なんだか懐かしいような気持ちに思えた。
1、2年前にこの本を見かけていたら頭が狂ってしまっていたに違いない。
そういった色々を感じられたので、この本はすごく面白かった。
と同時に、これからの生活で抱いたらやばい感情がわかった。
とりあえず「慢心」と「身の丈」に気をつけたい。
見下したり、へこへこしたり、謎の高レベルシンボルに嫉妬したりはしないようにしよう…
「今年で30歳になります」な時に、登場人物と同じような状況にならないようにしよう。
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